私はお酒が好き、特にウイスキーが大好きなのですが、無職になってからというもの、金欠過ぎて外へ飲みに行く機会が激減してしまいました。

ウイスキーを美味しく飲もうと思うと、バーへ行くのがベストな選択肢なのですが、バーって料金が高いんですよね。
もちろんお店にもよりますが、私のような若輩者が入れるようなバーでも、ドリンク1杯1,000円前後、席料やフードを合わせると、軽く数杯飲んだだけでも会計が5,000円を超えてしまうことがザラにあります。
ヴィンテージのウイスキーですと、シングルで数千円を超えるものも珍しくありません。

働いている頃は微額ながら収入がありましたし、趣味無し恋人無しで酒以外に金の使い途がなかったので、バーへ行ったら好きなだけお酒を飲めたのですが、収入が無くなった今、そんな真似はできません。

バーで飲む場合、ドリンク1杯の価格には、原価の上に諸経費や利益が乗せられています。
ポピュラーなスコッチ・ウイスキー、バランタイン・ファイネストを例に考えてみましょう。

バーで飲むと、1杯(45cc)の価格はおそらく500円前後ですが、酒屋で買うと1瓶(700cc)で1,000円ちょい(値段は若干上下します、今は少し高めです)、1杯あたりの価格にして70円前後と、1/7程度のコストで飲むことができる計算になります。
飲料の原価だけ考えれば、家で飲めば遥かに安いわけです。

じゃあ酒屋で買ってきて家で飲めばいいのかというと、そういうわけではありません。

お酒を飲むにあたっては、原価云々なんてどうでもいいんです。
静かで落ち着いたカウンターに座り、煙草を吸いながら、バーテンダーさんの注いでくれたお酒と小洒落たおツマミを楽しみたいんです。バーの雰囲気を味わいたいんです。

しかし、おウチをブッ壊してバーカウンターを作るのはさすがにムリですし、バーテンダーさんを雇うことも、ついでに家の中で煙草を吸うこともムリです(パパンとママンに激怒されます)。
それでも、少しでいいからバーの環境を再現したい。

というわけで、宅飲みのツマミとして、自分で燻製を作ることにしました。


燻製というのは、塩漬けにして乾燥させた食材を煙で燻す調理法、またそれで作られた料理です。
歴史的に本来は保存食らしいのですが、製造の過程で食材が熟成し旨味が増すこと、煙で燻すことで独特の風味が出ることから、今日では有名な調理法となっています。

燻製の方法は、大雑把に、熱燻・温燻・冷燻の3種類に分けられます

熱燻……80℃程度の高温で燻す方法
燻煙時間は短い、燻煙時に食材を加熱調理できる、ジャーキーなど

温燻……30~60℃程度の中温で燻す方法
燻煙時間は普通、比較的高温で長時間燻すためよく水分が抜ける、ポピュラーな方法

冷燻……30℃以下の低温で燻す方法
燻煙時間は長い、大きな設備が必要、衛生管理・温度管理が難しい、生の食材向き

燻製をするには、食材を煙で燻すための設備(燻製器)が必要になります。
一口に燻製器と言ってもいろいろありまして、段ボールや空の一斗缶など手近なもので作る小型の燻製器もあれば、レンガやセメントを使った大掛かりな燻製釜を自作する人もいるそうです。
Amazonなどで完成品を購入することもできます。


冷燻に適した晩秋の時期に「燻製を作ろう」と思いついたため、低温での燻煙が可能な、やや大きめの木製燻製器を制作することにしました。

私はバカなので、いきなり大型の燻製器に取り掛かってしまいましたが、これから燻製を始められる方には、上に載せた燻製キットなどから始めることをオススメします。


燻製器の制作・燻製調理にあたっては、一から十までピートショップ様のサイトを参考にしました。
簡単に作れるものから難易度の高いものまで、たくさんの燻製料理が掲載されています。
燻製に興味のある方は是非ご覧ください。

私はアホなので、これと似たようなモノを作ることにしました。
かなり大変な作業になりそうですが、幸い無職で時間はありますし……。
外見から大体の構造の当たりをつけて、グチャグチャと図面を書きます

・燻製器の材料
箱型の燻製器を作ります。
大まかに分けて天板・底板(30cm×30cm)、側板・正面扉(30cm×90cm)、網受け用の棒材(90cm)、釘などを適量用意しました。

DSCF4040

・網受けを作ります
棒材を、燻煙器内に収まるサイズに切ります
DSCF4041


・横板に網受けをつけます
網を乗せるレールになるよう、等間隔で側板に固定します。

DSCF4043

・底板と側板を組み上げます
それっぽくなってきました。
天板はまだ乗っけてあるだけです。

DSCF4045

・天板を作ります
天板は一旦2つに切り、蝶番をつけて、開閉して換気できるようにします

DSCF4049

DSCF4050

・温度計
庫内の温度をはかるため、天板の隅に穴を開け、温度計をつけます

DSCF4103


・目張り
設計が甘く、部材と部材の間に隙間が開いてしまいました。
工事用の耐熱テープで目張りをします。

DSCF4052

DSCF4053

IMG_20141024_192159

・扉
正面扉を取り付けたところです。
扉は2枚に分けました(上の扉は食材スペース用、下の扉は燃料スペース・換気用です)。

DSCF4055

・鍵
扉を固定・密閉できるよう、鍵を設置します。

DSCF4056

・完成、ご開帳
IMG_20141025_192926

以上で出来上がりです。

あっさり終わったように思われるかもしれませんが、完成までに丸3日、ホームセンターへは計4回行きましたし、何度も仕様変更を繰り返してしまいました……。

材料費は総額10,000円弱ですが、ピートショップ様のモノとは材料の質から違いますし、あちこち曲がっていたり歪んでいたり板が割れかけていたりして、出来栄えは比べ物になりません。
また、手間を考えると、果たして安く済んだと言えるかは疑問ですね……。
木工は好きですし、作業も楽しかったからいいんです。

初期投資は行いましたので、これからは燻製料理を楽しんで、投資を回収していこうと思います。