秋も深まり、寒さが厳しい日を迎えるようになってきました。
気温が下がり過ぎると、調理中に食材が凍って台無しになってしまうおそれがあるため、今回が今シーズン最後の燻製です。

せっかく寒くなってきたので、難易度高めのパンチェッタ・アフミカータ(生ベーコンの燻製)を作ってみようと思います。

前回までのカキや鶏ハムですと、調理自体はせいぜい1週間ですべて終わりましたが、ベーコンの場合は下ごしらえだけで1週間、乾燥と燻煙でさらに1週間、熟成には最低1ヶ月と、かなりの期間を要します。
当然、ほとんどの調理を常温で行うため、衛生状態には細心の注意が必要です。
また、食材は外で熟成させるので、1日を通して気温が低温を維持し、かつ乾燥した季節、晩秋から初冬にかけてしか作ることが出来ません。

今回もいくつかの道具を調理に使いますが、すべてアルコール殺菌を行いながら調理しています。
それでは始めていきます。

食材を用意する
ベーコンなので豚バラ肉を使います。800gの塊を用意しました。
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大きいし重いしで扱いにくかったため、半分にカットしました。

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下味つけ

今回味つけに使うのは、S&Bの『スパイス&ソルト』、ローリエ、そして安物の白ワインです。
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私は雑な性格なので、味つけはアバウトにいきます。
↑の塩2袋(50g)と千切ったローリエを、ジップロックに入れます。

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そこに白ワインを適量入れ、軽くシェイクすると、漬け込み液の完成です
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バラ肉を、液に浸かるように入れて、空気を抜き封をします。

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冷蔵庫に入れて、1週間~10日程寝かせて、ジックリ塩分を染み込ませます。
1日1回程度、袋の向きを入れ替えるなどして、バラ肉全体に塩気が行き渡るようにしてください。



塩抜き
頃合いを見て、肉を袋から取り出します。
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表面をサッと洗って付着した塩やスパイスを流しとったあと、鍋に水を張って肉を沈め、流水にさらしながら塩気を抜きます。
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塩抜きのタイミングは、結構難しいです。塩抜きが十分でないと辛すぎて美味しくないですが、逆に塩抜きしすぎても物足りない味になってしまいます。

塩抜き中には、適宜バラ肉の端っこを切り取り加熱した上で、試食してみてください。
「少し薄味かな」と感じたくらいがベストな塩梅です(以降の工程で乾燥させると食材の塩分濃度が高くなり、再び塩味が強くなります)
塩抜きの所要時間は4時間~10時間くらい、こまめに味見しつつ、納得の行く味を見つけましょう。



風乾燥
塩抜きが終わったら肉の水分をしっかり取り、虫やホコリのつかない場所で乾燥させます。
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今回は干物用ネットを使い、車庫にぶら下げておきました。
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個人的に、ここからの工程は緊張続きでした。
以降はずっと常温で食品を扱います。塩漬けには、菌を殺したり活動を抑えたりする効果もあるそうなのですが、それでも常温で放置しておくと腐ってしまわないかという不安が毎日頭をよぎります。



燻煙
4日ほど乾燥させ、肉の表面がパサパサになってってきたら、次は燻煙です。
燻製器に肉を入れ、ウッドとチップを焚きましょう。
燃え尽きるまで3時間程、ゆっくり待ちます。

・コレすごく燻製っぽくないですか?

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・3時間薫煙したところ

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若干色がつきました。

この後、1日おきに1回、合計3回燻製しました。



熟成
今まで作った燻製ですと、「熟成」と言いつつ冷蔵庫で一晩寝かせる程度でしたが、今回のベーコンは本気で熟成させます。
ベーコンぶら下げたままスモーカーのフタと鍵を閉め、雨に当たらず風通しのよい場所に放置。

・いい色合いになってます
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このまま1ヶ月待ちました。
腐っていないか、虫などがついていないかが本当に気がかりで、毎朝必ず豚肉の様子を見に行っていました……別にそこまで気にする必要もなかったのですが……。

完成
・熟成後のベーコン
どうですかこの色とツヤ!
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スライスしてみると、中までしっかり脱水されていて、元の豚バラ肉とはまったく別物のようです。
肉の表面から滲んで浮き出た脂が、キラキラと光っています。
とにかく固くて、切るのには大変難儀しましたが……。
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バラ肉なので、結構脂身が目立ちますね

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・ウイスキーとベーコン
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・ハイボールとベーコン
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食べてみると、非常に歯応えのある食感で、噛み切るのには一苦労です。
塩抜きをしすぎてしまったのか、味はやや薄めで、少しパンチ力に欠けました。

しかし、肉を何度も何度も噛んでいると、えも言えない旨味が広がってきます。
熟成肉と同じ理屈で、肉を低温で長時間乾燥させると、肉の中の酵素がタンパク質を分解・アミノ酸に変化させて、よりコクの深い味になるそうですが、そのへんはよく分かりません。

薫煙の香りもしっかりと染みていて、100g150円の安い豚肉とは思えないほど贅沢で芳醇な味わいになりました。
燻香の香りとウイスキーのフレーバーがとてもよくマッチします。


かなり手間をかけて作ったのですが、あまりにも美味しすぎてあっという間に無くなってしまいました。大成功です。
1つ残念な点を上げるとすれば、脂身が多かったこと。
今度生肉を調理する時は、もも肉を使った生ハムを作ってみたいです。