Twitterでフォローしている退職芸人こと漬物さんのブログ(Life is broken)に触発され、また自らの経験を反芻にするために記事にしてみました。
ちなみに今回の内容にネタは一切ありません、全部真面目な内容です。

一口に退職と申し上げましても、世の中にはいろんな会社があり、いろんな退職のカマしかたがありまして、ケースによっていろんな状況が変化してきます。
以下に、退職直後の私の状況を列記しておきます。


雇用形態:正社員
年金   :厚生年金
健康保険:会社の健康保険組合
雇用保険:加入
源泉徴収:あり
勤続年数:7年
退職理由:自己都合
家族   :両親と同居
車    :自己所有



1.離職票と年金手帳をもらう
退職してから一番頻繁に使う書類、それが離職票です。
これはいわば「会社を辞めました」「私は無職です」ということを証明する書類で、失業給付の受給、国民年金の納付猶予などありとあらゆる場面で必要になってきます。

通常は退職後2週間以内に元勤務先から交付されますが、いい加減な会社だとサボったり忘れたりするケースも多いそうです。
待てど暮らせど手元に届かない場合は、ガツガツ催促しましょう。
また、厚生年金基金に加入している企業の場合、会社側が従業員の年金手帳を預かっている場合が多いです。
コレは年金の証書とも言える大事な手帳ですので、すぐに返してもらい大事に保管しておきましょう。



2.ハロワへ行く
離職票が手に入ったら、すぐにハロワへ行きましょう。
失業給付金を受給するためです。
雇用保険にちゃんと加入している場合、平均報酬日額(以前の年収/365の金額)の約6割程度のお金を、4週間ごとに受け取ることができます。
自己都合退職の場合、申請から7日+90日の待機期間の後、最大90日分を受給することができます。
無職にとってお金は生命線です、必ず申請しましょう。

失業給付申請~受給終了までの期間は、4週間で2回「就職活動」をしなければなりません。
就職活動の内容はなんでもいいわけではなく、例えば「リ●ナビを見た」「おウチでハロワのサイトを見た」などフワッとしたものはダメで、面接や説明会への参加など、具体的なものでなければいけません。
テキトーに面接を受け続けるのもアリですが、私の場合アポを取るのも面倒でしたので、ハロワの窓口での相談、また自治体主催の就職説明会への参加で回数を稼いでいました。



3.保険証を切り替える
企業の健康保険に加入していた場合、退職と同時に保険証を返さなければなりません。
無保険ですと、病気や怪我をした場合に本当に困りますので、すぐさま国民健康保険への切り替えをしましょう。

手続きを行ってから保険証が手元に届くまで少し時間がかかります。
この間にかかった医療費については全額負担となりますが、領収書を保管しておけば後から請求することが可能です。



4.世帯を分ける
あなたが独身で、家族と同居している場合、お住まいの地域の区役所・市役所へ行き、世帯分離という手続きをして住民票を分け「一人で暮らしている」という体裁をとりましょう。
理由は後述しますが、絶対に必要な手続きの一つです。



5.口座から金を抜いておく
理由は後述しますが、口座にはできるだけお金を入れないようにしましょう。
引き落としがある場合、面倒ですがその都度入金してください。



6.確定申告をする
仕事を辞めた年末は、必ず確定申告をしましょう。
各種保険(国民健康保険、生命保険、医療保険等)に加入していた場合、退職後の支払分については控除が認められ、税金が戻ってくる場合があります。
保険料の支払証明書は、区役所・市町村役場や各保険会社に請求すればもらえます。
また、確定申告書が後で必要になることがあります。



7.年金・税金・国保の支払を止める

今回の記事のキモです。
無職になって収入が0になったからといって、支払も0になるわけではありません。
日本に住んで国籍を有する限りは、国民年金保険料・各種税金・国民健康保険の支払義務が発生します。
これらが合計でザックリ月数万かかるわけですが、収入0の無職にとってはとても払えるものではありません。
ですので、安定した収入が得られるまでは支払を繰り延べてもらいましょう。


まず年金ですが、仕事を辞めた直後の場合「失業による特例免除」という制度を利用することができます。
一応世帯の所得を含めた審査があり、高所得の世帯の場合は支払能力アリと見なされることもあるそうですが、よほどのことがない限りは離職票1枚で猶予を受けられるはずです。
また、4.で紹介した世帯分離をしておけば、本人の所得のみ(無職なので、0ですね(*^^)v)で審査されるので、なにも心配は要りません。

また、30歳未満の方の場合、「若年者特例猶予制度」というものを利用できます。
こちらの制度は本人の所得のみの審査(無職なので、0ですね(*^^)v)ですので、問題はありません。

この他「保険料免除制度」では、単に収入が低い場合(所得額に応じて全額~1/4免除)や、疾病・障害による就業困難・経済的困難も認められるようです。

「未納」と「免除・猶予」、保険料を支払っていないという点では同じだと思われるかもしれませんが、「未納」のまま放っておくと、将来に年金の受給資格を失ってしまう場合があります。
「免除・猶予」の手続きをとっておけば(形式的には)払っているのと同じ状態になるため、将来の年金額が減ることはありますが、受給資格自体を失うことはありません。
年金の請求はうっとうしいですし、手続きも面倒かもしれませんが、放置するのはやめましょう。
手続きは、最寄りの年金事務所で行ってください。


次に税金です。

「無職で収入が0なのだから、税金なんて関係ないのでは?」とお思いになるかもしれませんが、ところがどっこい仕事を辞めた年にも請求が来ることがあります。
というのも、多くの会社での源泉徴収というのが「前年1月~12月の所得に応じた税金を、毎月の給与から差っ引く」というシステムになっているので、会社を辞めてもその年の所得税・住民税は未払いのまま残ってしまうからです(新卒2年目に手取が減ることがあるのはこのためです)。
また、自動車を所有している場合は問答無用で自動車税・軽自動車税がかかります。

税金から逃れるのはほぼムリですが、無職にとって大きな負担であるのも事実です。
なので、これも支払を繰り延べてしまいましょう。

これには特別な手続きはありません。
管轄する役所(所得税は税務署、自動車税は都道府県税事務所、住民税・軽自動車税は区役所・市町村役場の税務課)へ行き、素直に「無職で金が無いので払えません」と話してください。
税金の分納・支払猶予を申請すると、税務課などから金融機関(銀行・信金・信組・証券会社等)に対して資産調査が入ります。
5.で「口座の金を抜いておけ」と申し上げたのはこのためで、口座にまとまったお金(過去の貯金、退職金など)が入っていると、支払余力ありとみなされ猶予・分納が認められません。
とにかく「金がねえんだ!」ということをアピールしましょう。

税金の支払は放置していると、最悪の場合銀行口座を差し押さえられます。
差し押さえまでの期間はマチマチなのですが、常に支払意思さえ見せておけばコレを食らうことはありません。
放置だけは絶対に止めましょう。


最後に、国民健康保険料です。

国民健康保険料を支払わないと、当然ながら保険証を取り上げられます。
保険証がないとマトモに医者にかかるのは難しい、しかし保険料の支払はキツい、私のような病人には大変困った事態です。
これも区役所・市町村役場の福祉課で免除・猶予の申請ができますが、そもそも申請することが難しいそうです。
免除・猶予を受け付けてしまうと、その負担が自治体に回って来るらしく、窓口職員も消極的になるんだとか聞きました。

ただ「無い袖は振れない」ということを説明すれば、正式な手続きは踏まなくとも猶予できますので、ダメもとでチャレンジしてみましょう。
国民健康保険料の免除・猶予に際しては、年金や税金と同じく所得審査・資産調査があります。
所得の確認のために確定申告書が必要です。
ここでも、とにかく「金がねえんだ!」ということをアピールしましょう。



Extra.無職を楽しむ
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仕事を辞めて、糸の切れた風船のようなスタンドアローンな感覚に陥り、将来への不安などもおありでしょうが、一通りの手続きが済んだら、とりあえずなにも憂いることはありません。
今まで頑張られたのですから、まずはゆっくりと身体を休めましょう。

無職になると、月曜の憂鬱さや水曜の息切れ感、金曜の妙な高揚感とも無縁で、平穏な生活を送ることができます。
毎日好きな時間に起きて、好きなことをして、好きな時間に眠る、理想的な生活です。
新しいことにチャレンジするのもよし。
ひたすら寝て過ごすのもよし。
人生について考えるのもよし。
無職の過ごす時間には、有意義も無意味もありません。
自分で「今日も一日ダラダラしちゃったな……」と思っても、誰も咎める人はいません。

好きなだけ好きなように過ごしましょう。



以上はあくまで私の場合であって、すべての方に当てはまるわけではないことをご了承ください。
国や自治体への支払には、必ずセーフティネットが用意されています。
私はたった1年しか無職を経験しておらず、無職としてのキャリアはペーペーではありますが、その中でもイロイロなことを知り、考えることができ、今までの人生の中でも特に実りのある1年だったと思います。
経済的な事情のため、やむを得ず再び働くハメになりましたが、可能ならまた無職に戻りたいくらいです。
現役無職の皆様におかれましては、各種制度を利用して、より豊かな無職生活を送られますことをご祈念いたします。