以前、初夏の頃に名古屋へ遊びに行った時のことです。

1泊2日の小旅行、初日にどうでもいい用事を済ませ、そして旅の終わり、夏の始まりのファッション・ヘルス、2日目は朝から箱ヘルへ行くことにしたのですが、早起きしすぎたせいで、開店時間まで随分間が開いてしまいました。

「ヒマをつぶしたいけど、あまりアチコチ移動するのは面倒だな……」そう思い、ヘルスの店舗から徒歩圏内で面白そうな場所を探していると、「日本のタイ」日泰寺というお寺があるではありませんか。
これは行くしかありません。


元は日暹寺(にっせんじ、タイの旧国号である暹羅(シャム)から)というお寺でしたが、1939年にシャム国がタイ国に改名、それに合わせて現在の日泰寺という名称になりました。
名前の由来からして、タイと結びつきの強いお寺です。

というのも、そもそもこのお寺が建立されたキッカケが、タイ王国から日本の仏教界へ釈尊の遺骨が寄贈されたことだからです。

19世紀末の英国領インドで、瓶に入った釈尊の遺骨が発見されました。
インドで発見された貴重な遺骨は、当時から仏教国であったタイ(当時はシャム国)の王室へ寄贈され、さらにタイ王室から各地の仏教国、そして日本へも下賜されることになりました。

寄贈された釈尊の遺骨を日本のどこへ安置するか、ということについて、東京や大阪という案もあったそうですが、最終的には広大な敷地と参拝のための交通路を用意し、地域の要望も強かった名古屋に、釈尊を奉る寺院を建てることとなりました。
(日泰寺を建てるために、バス・鉄道などの交通網が早くから整備されてきたそうです)

覚王山日泰寺は仏教のお寺ですが、本尊は釈尊の遺骨であり、日本の○○宗のような特定の宗派には属していません。
現在は19宗派の管長が、3年周期の持ち回りで住職を務めています。

覚王山のあたり、少し小高いところにあるせいか、名古屋市内でも指折りの高級住宅街です。
朝の静かな街の中を、私学と思しき小学生が登校する光景が見えました。

覚王山の参道は、広小路通に接する当たりから始まり山門に至るまで、500mほど続いています。
参道の周囲には幾つもの商店が軒を連ねていて、毎月21日には縁日が催されています。

まあ私が興味あるのはコメダくらいなんですが……。

紅茶専門の小売問屋さん

隣にはコメダ珈琲覚王山店があります(当然後で行きました)。
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オーダーメイドのビーズアクセサリー、Ihi de Lajiano
奥は靴の修理専門店のようです。
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門前通りから見た覚王山山門

かなり迫力があります。
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山門の両脇には、釈尊の弟子であった迦葉尊者と阿難尊者の像が建っています。
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五重塔
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表面には、タイ風寺院とシャム文字のレリーフが施してあります
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本堂
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本堂内部

建立時、当時のシャム国王から寄贈された金色の釈尊像です。
上に飾ってある額は、今のタイ国王から贈られたもの。
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シャム国王像
日本に遺骨の下賜を決めた、チュラロンコン・シャム国王の銅像です。
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本堂を出て、姫ヶ池通1の信号を挟んだ斜向かいに、奉安塔(釈尊の遺骨を納めてある建物)と霊堂(教徒の墓)があります。

入り口を抜け、少し先にある階段を登ると、もう奉安塔です。
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この日はツツジがキレイに咲いていました。
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奉安塔?
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奥にある白い石造りの塔が奉安塔なのですが、門が邪魔でよく見えません……。
奉安塔は、ガンダーラ様式を取り入れた高さ15mの仏舎利塔、さぞかし大迫力だろうと思ったのに……。

気を取り直して、今度は霊堂を見に行きましょう。

霊堂が作られたのは1984年と比較的最近で、端的にいうと「屋外の墓は管理するのが大変だから、屋内でまとめて収納できるようにしましょう」というコンセプトで作られたそうです。一戸建てとマンションみたいな違いなのでしょうか。
霊堂は4階建て、中にはおよそ4,600基の墓石が並んでいます。
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モダンな建築ですが、ところどころに仏教要素を感じますね。

日泰寺は楽しかったですが、奉安塔を見られなかったのは痛恨の極みでした。
年に何度かの法要の時くらいしか、近くでは見られないそうです。


少しションボリしながら近所をブラブラしていると、路上に面白いものを発見しました。

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なにかは分かりませんが、どうも水道遺構のようです。

ハッとして周りをよく見てみると、給水場っぽい場所が何ヶ所か見えます。
まだまだ時間はあるので、少し覗いてみることにしました。

東山給水塔
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右奥に見えるのが東山給水塔、ステキな形の塔ですね。
災害時の給水設備として、現役で利用されているそうです。

東山給水場5号配水池
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こちらも現役で、中に入ることはできません。
見事なアーチ型の門扉です


この頃の季節は初夏、昼が近づくにつれて日差しも強くなってきて、肌はじんわりと汗ばんできます。
歩きっぱなしでバテてきたので、給水場巡りは打ち切りました。しかし、ヘルスの開店時間にはまだ早い……。
日泰寺そばでは、揚輝荘という古い別荘跡を見学することができます。
揚輝荘か、コメダ珈琲覚王山店か。
しばらく悩んだ結果、せっかくなので揚輝荘を見に行くことにしました。


覚王山日泰寺

愛知県名古屋市千種区法王町1丁目1
名古屋市営地下鉄東山線 覚王山駅1番出口から徒歩約8分


<続きます>