家を出てから6日目の朝です。
今日もフロントからの電話で目を覚まし、刻限に追われるようにホテルを出ます。


五所川原・旧十川(きゅうとがわ)沿いの桜
この時は八分咲きだったそうですが、大変綺麗です。
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こういう町内地図が大好きなんです
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五所川原の駅前通
昼夜を問わずガラガラなんですね……
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ホテルから五所川原駅ヘ向かい、今日は津軽鉄道に乗ります。


鉄道むすめ
全国の鉄道事業者と、玩具メーカーのトミーテック(タカラトミー子会社)が連携して展開している萌えキャラです。
現在は23の事業者が参加、100人以上の鉄道むすめが存在します。
それぞれのイラストに、実際の制服デザインが使用されているのが特徴です。
津軽鉄道の鉄むすは写真左上、芦野かなちゃん!
(名前は、津軽鉄道『芦野公園駅』と『金木(かなぎ)駅』から)
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津軽鉄道線は、起点津軽五所川原駅から終点津軽中里駅の間を結ぶ、総延長20.7kmの鉄道路線です。
地元の財界関係者が
津軽山地で獲れる木材を輸送するための鉄道を敷いたのが始まりで、木材産業が奮っていた時代には、沿線も大変に賑わっていたそうです。
(津軽鉄道線の駅である『金木』という地名は、ズバリそのまま「金になる木」という意味だと、昨日飲み屋で相伴したご夫婦が教えて下さいました)

乗客数は長らく減少傾向にありますが、上の『鉄道むすめ』や、地元有志による津軽鉄道サポーターズクラブ
NPOによる津軽半島観光アテンダントなど、さまざまなアクションを起こして旅客の取り込みに努めています。
実際に乗ってみて思ったのですが、非常に愛くるしい路線です。
地元の人達が大切に守ろうとするのも、よく理解できます。

津軽鉄道の切符
自動改札はなく、スタンプでもなく、昔ながらの改札鋏による改札です。
厚紙の切符にハサミを入れる瞬間の「バチッ」という音、久々に聞いた気がします。
切手自体もとても素敵で、レトロな印字は輪郭部分が若干凹んでいて、多分活版じゃないかと思います。
記念に持って帰ればよかったです。
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駅舎内
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手書きの時刻表
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待合室
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車両
愛称は『走れメロス号』。
電化は当然されていません、気動車です。
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JRとはまた違った良さのある駅看板
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ホームには、過去に使用されていたレールが展示されています。
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太宰治『津軽』より
北津軽郡金木町(現在は合併して五所川原市金木町)出身の作家・太宰治の文章や警句は、街のあちこちで引用されています。
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『津軽』は、太宰が少年期の思い出を辿りながら故郷を巡る、素晴らしい紀行文です。


客車
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車内
この頃はちょうど『金木桜まつり』の時期で、車内は桜模様にドレスアップされていました。
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さて、津軽鉄道には、1便につき1~2名、先に紹介した津軽半島観光アテンダントさんが添乗して、沿線の案内をしてくれるます。
これが大変ユニークだったので、いくつか紹介します。
私が乗ったのは五所川原-金木区間だけですが、アナウンスが楽しすぎて終点まで乗って行きたい気分でした。

五農校前駅
「五農校(青森県立五所川原農林高等学校)、私が高校生の頃はヤンチャな高校でした」という切り口上の後、アテンダントさんの高校時代(全然別の高校)の思い出話が始まる。
五農校の学生が乗っていると、「真面目な服装ですね!」と褒める。

津軽飯詰駅
「この駅にある発電用風車の羽に、近所の小学生がカワイイ絵を描いてくれました。
しかし、津軽平野は風が強く、風車は常に勢いよく回転しているため、絵が見られることはほとんどありません」

毘沙門駅
「この駅で乗り降りされるお客様は1日5人くらい、当社としましては駅の存続も含めていろいろと検討を……あっ、降りられますか、ありがとうございます!
(降りる乗客を見送りながら)ああいった方もいらっしゃるため、なかなか廃止できないのが現実でございます」

嘉瀬駅
「この駅には、S●APの香●慎吾さんにイラストを描いて頂いた列車が展示してあります。
しかしながら、長年の展示で列車の塗装はボロボロになっております。
イラストを修理したいのですが、著作権は香取様にあり勝手に直せないこと、また直すお金も無いことから、手が着けられない状況です。
ジャニーズ事務所様には、過去に5回ほど『列車を直してくれ』とメールを送ったのですが、今のところお返事はございません。」

こんな感じで、津鉄を巡るローカルな事情を、ユーモアを交えながら案内してくれました。
私が文字にしてしまうとあまり面白く見えませんが、実際聞くと思わず笑ってしまいます。
初めは「なんだよ、うるせえなあ……」と思っていたのですが、すぐにトークに引き込まれました。
他にも、桜が綺麗に見える地点に差し掛かると、運転手さんが列車のスピードを緩めて景色を見せてくれたりと、粋な計らいが多い路線です。

冬になると、「ストーブ列車」という、その名の通り客室内にダルマストーブを搭載した列車が運行され、そこでイカを炙ったり酒に燗を点けたりできるそうです。
素敵です。


さて、あっという間に金木に着いてしまいました。
後ろ髪を引かれながら、楽しい車内を後にします。

前回の記事末尾に「次は『斜陽館』へ行きます」と書きましたが、津鉄の思い出がたくさんあったため、後回しになってしまいました。
大変申し訳ございません。
次は『斜陽館』へ行きます。

<続く>