多摩の友人宅を出て、東京のある場所へ向かいました。
Twitterで散々書いてますが、勘のイイ人は駅名を見ただけで分かるかと思います。

中央線で新宿へ、新宿から山手線で日暮里へ
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日暮里から常磐線で三河島へ
最寄りは南千住駅なのですが、1駅前の三河島駅を境に運賃が高くなるので、ココで降りました。
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泪橋交差点
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というわけで、東京のドヤ街として有名な台東区・山谷へやってきました。
山谷は、昔から寄せ場(日雇い労働者が集まる場所)としても有名です。
現在は『山谷』という地名は存在しませんが、台東区清川・日本堤・橋場および荒川区南千住にまたがる地域を指して、今日でも通称『山谷』と呼びます。
ドヤ街というのは、日雇い労働者向けの簡易宿泊所が集まる地域で、ホテルより遥かに安く泊まれることから、近年では海外からのバックパッカーが多く訪れるようになったとか。
山谷の街でも、外国人の方をよく見かけた気がします。
大阪・釜ヶ崎、横浜・寿町と並ぶ、「日本三大ドヤ街」の一つです。

元々どこかで死のうと思って家を出ましたが、この期に及んでなんとなく惜しい気がしてきました。
しかし、仕事と金がもうありません。
ココでなら、私のようなどうしようもない人間でも、なんとか食いつないでいく方法があるのではないか。

とはいえ実際ドヤ街に来るのはこの時が初めてで、その雰囲気に足が竦んでしまいました。
治安が悪そうとか風紀が乱れていそうとか、決してそういうわけではないのですが、明治通りと吉野通りが交わる泪橋交差点を中心とした区画に入ると、なんだか外と雰囲気が変わるように感じます。
夕方頃に到着し、少しだけ街中をウロウロしてみましたが、どうも街の雰囲気に馴染めず、仕事探しも宿探しもしないまま、結局山谷を出てしまいました。

隅田川の造船所
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首都高高架下の団地
ベニヤ板で造られた、立派なプレハブです。
よく見ると、鉄骨で足場を組んであるものもあります。
東京都から行政代執行の通知が掲示されており、立ち入りを禁止するロープも張られていましたが、そこにツナギが干してあったりしました。
本当にたくましい光景です。
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北千住駅
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台東区と足立区の境目くらいを丸一晩ウロウロとして、最終的に一番安全そうな都営汐入公園で寝泊まりすることにしました。

タワーマンションのすぐ足元には、ビニールのテントが点々と
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常宿
荒川区・隅田川沿いにある汐入公園の男子便所、最奥の大便個室です。
パイプが水漏れしていて、床は常に濡れていました。
3室ある個室は、すべて少しずつ水漏れしていたので、もしかしたらワザとかもしれません。
床にトイレットペーパーを敷いて水濡れを避け、その上にタオルを敷き、ソコで横になって寝ていました。
大便個室の幅は1m程しかなく、腰を折って寝ていると、朝は滅茶苦茶な腰痛になります。
また、ホームレスにも縄張りがあるらしく、深夜突然「出てこい!」とドアを叩かれたり、便所から出たところでホームレスのご老人から「勝手に入るな」と説教されたりしました。
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昼間は土手の芝生で眠り、夜は近辺をうろつき回り、疲れたら便所に帰って鍵をかけ少しだけ眠る生活です。
食事といえば、公園の水か、時々買うコンビニのおにぎりくらい。
残飯を漁ったりも少しはしてみましたが、なかなか見つかりません。
一度だけ飲みかけのジュースを見つけて喜んだことを覚えています。
雑草も食べましたが、相当な量を食わないと腹は膨れませんし、すぐクソになって出てしまいます。
他のホームレスの方は、どうやって生活しているのでしょうか?
本当に不思議です。

路上で座り込んでいると、知らないうちに気を失っていることも多くありました。
都会の街中だと、路上で寝ているホームレスの方を見かけますが、ああいう方々の気持ちがよく分かりました。
無分別に寝てるわけじゃなくて、これ以上身体が動かないって時があるんですね。

ある時、商店の前で倒れてしまい、店の方から「ココで寝るな!」と叱られて、ようやく再び山谷へ向かう気になりました。

余談ですが、ホームレスの方々は、夜間に眠っていると荷物を盗まれたり暴行を受けたりするおそれがあるため、あえて人目があって安全な昼間に眠り、危険な夜中は起きて過ごすのだそうです。
深夜~明け方のほうが仕事もしやすいとも仰っていました。
私は仕事をしていないので分かりませんが、いろいろあるのですね。


深夜の山谷
ドヤが開くのは夕方からですが、便所にステイするのに限界がきたので、夜明け前に脱出しました。
確実に身体が臭くなっています。
JR常磐線・南千住駅から山谷までは徒歩5分ほど、駅近の一等地こんな場所があることに驚きです。
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憧れの厚生食堂
腹が減ったので店の前まで行ったのですが、金がなくて入れませんでした。
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いわゆるドヤです
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明け方のコンビニで途方に暮れていると、オジサンが突然「タバコを買ってくれ」と言ってきました。
「金が無いから」と断ると、「アンタ、フクシか?」という質問が。
初めは意味が分からなかったのですが、話をしているうちに「フクシ=生活保護」だと分かりました。
なんでも、今の山谷の住人は、ほとんどが生活保護受給者だそうです。
「仕事を探している」と話しましたが、オジサン曰く「ゴールデンウィーク中は手配師(仕事を紹介する人)も現場もお休み」とのことで、食い扶持は見つかりそうにありません。
「世間ズレしてんじゃないの?」と笑われましたが、残念なことに世間ズレどころかアタマがオカシイんですよね……。
オジサンも、ここしばらくは仕事にあぶれていると仰っていました。

この後、オジサンと一緒に散歩しながら、山谷の街を案内してもらいましたが、途中で何度も「タコ部屋(住み込みの労働現場のこと、多分紹介者にはマージンが入る)」を斡旋してきたり、泥棒市場で俺の手荷物を売って酒を飲もうと勧めてきたり、話の途中で荷物を掻っ払おうとしてきたり、財布を分捕ろうとしてきたり、温かい飲み物を買ってくれとタカってきたりと、ロクなヤツではありませんでした。
しかし、仕事の探し方(スポーツ新聞の求人欄がアテになること)や、ドヤの特徴(ココのドヤは親父が怖い、ココのドヤは事件があった等)を教えてくれたり、身の上話世間話に付き合ってくれたりと、オジサンのおかげでかなり緊張がほぐれた気がします。
本当にありがとうございました。
(結局ホットコーヒー(70円)をおごらされました)

※人情味のある話のように聞こえるかもしれませんが、コレ以外にもいろいろあって、短い経験からですが「ドヤ仲間」「ホームレス仲間」はあまり信用しない方がいいなと思いました。
皆さん基本的に親切で優しいのですが、毎日の生活に一生懸命な方が多いので、気を抜くとカモにされます。

山谷ではたしか3泊(記憶も記録もおぼろげです)、ドヤは3軒転々としました。
初めは最安値のタコ部屋(コッチは相部屋の意味)に入ったのですが、あまりにもあんまりだったので次は個室のドヤへ。
そこで朝っぱらから老人同士のケンカが起きていたのと、いよいよ金が無くなったのと、連休終わりの景気づけに、最後はとびっきりキレイな「ドヤ風ホテル」に入りました

山谷のドヤ、大阪・西成と比べると価格帯はやや高め、下は1,100円~上は3,500円程度といろいろですが、3畳個室2,200円が最も一般的な設備・相場です。
もちろん全室カラーテレビ・冷暖房完備。


山谷のグランスイート
最後に泊まったココは一泊3,500円とメチャクチャ高いですが、間口・テレビスペースを入れると正味4畳と、かなり広いです。
しかもバルコニーつきで、畳は化繊のものが使われています。
若い旅行者から墨入りまで、客層は様々でした。
ドヤの気分を味わうのにはちょうどいいと思います。
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隅田川の朝日とスカイツリー

このそばにもテント小屋が建ってます。
日本のボトムから日本のトップが見えるのって、すっげえ面白えなあって……。
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絶対コイツのほうが俺よりイイもん食ってるんですよね。
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西のスーパー玉出、東のスーパーシマダヤ
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落ち着いて宿に入ったら、悪い意味で気が抜けてしまい、毎日仕事もない(探してもいない)ので、あたりをブラブラしていました。
途中、一度行ってみたかった『吉原遊郭跡』へ行ったので、次回はそこを紹介します。

<続く>