ニートの朝は早い
さて、旅が始まってからまだ2日目ですが、早速メインイベントを迎えることになりました。しまなみ海道サイクリングです。

しまなみ海道は、広島県尾道市と愛知県今治市を瀬戸内海をまたぎ結ぶ海上道路です。
「しまなみ海道」という呼称は公募で決められた愛称で、正式名称は「西瀬戸自動車道」と言います。ちなみに、自動車専用道路としては1kmあたりの通行料金が日本一高いらしいですよ。

この道路は、尾道-今治間にある瀬戸内の島6つをつなぎ通されています。
海道から望む瀬戸内海の景色は大変美しく、また自転車が走行する環境が整っているため、サイクリングロードとしての人気が国内外問わず非常に高く、「サイクリストの聖地」なんて呼ばれることもあるそうです。

サイクリングコースの距離は80km弱。情報サイトなんかを見ていくと、「本気レーサーは3時間、体力に自信のある人は4~5時間、走り慣れた人は6時間ちょい、初心者は10時間」と書いてありました。私は自転車を始めてからまだ2ヶ月くらい、体力にも自信がないから……10時間ですね!

そんなわけで、日没までに今治へ到着することを目標に、朝6時起床7時出発。コンビニおにぎりで腹ごなしして、いざスタート地点へ。しかし今日も荷物が重い……。


第一の島、向島
さて、「しまなみ海道の起点は尾道」と言われますし、たしかに西瀬戸自動車道は本州尾道から始まっているのですが、西瀬戸自動車道の尾道-向島区間には自転車用の通路がありません。
そのため、サイクリングの実質的なスタート地点は、尾道市から海を挟んで対岸の島、向島という場所になります。

尾道駅南岸のフェリー乗り場から船に乗り、向島へ渡ります。ちなみにフェリー乗り場は3箇所ありますが、どこも運賃は同じなので、近いとこで乗ればいいですよ。私は東端のフェリー乗り場から乗って、運賃100円+荷物(自転車)10円の計110円でした。

ここの船にはダイヤとかが無さそうでしたが、尾道沿岸と向島沿岸をひっきりなしに往復しているので、船着場でちょっと待っていればすぐ来ます。
すごく近いので乗船時間は1分程度、あっという間に向島です。

・船舶
小さな船です
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・向島湾岸には造船所が
ここだけでなく、尾道や今治、その間の島嶼部には造船会社のドックがたくさんあります。会社の規模は大小様々です。
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・向島の船着場
この渡船は通勤通学にも使われているようです。
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向島に渡り、いよいよスタート!
ちなみに、しまなみ海道サイクリングロードは西瀬戸自動車道とは別のルートで、通常自転車は公道を走り、島と島の間を渡る時だけ西瀬戸自動車道沿いを走ることになります。

公道を走る、と言っても、環境は実にリッチです。路肩の幅は広いし、さらに自転車が走るスペースもちゃんと設けてあります(写真道路端の青線部分)。
路肩~青線はパッと見狭そうに見えますが、少し慣れればこれくらいの幅でも十分安全に走ることができますよ。

・白線の横の青線が、自転車走行エリア
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さて、フェリー乗り場を勢い良く飛び出した私は、ギアをトップに入れて、結構なスピードで走り続けていました。向島のコース全長は約10km、順調に走れば、20分程度で因島へ続く橋へ着く計算です。

道路には起伏もなくほぼフラット、天気はあんまり良くなかったですが、潮風をかき分けながら走るのはとっても気持ちがいいものです。信号もありません、車もほとんど通りません、歩行者もいません。サイクリングするのには最高の環境です。
そして、あっという間に因島大橋へ到着……したのはいいのですが、そこから先どこへ向かったらいいのか分からなくなってしまいました。

道路の案内に沿って、あちらこちらへ行ったり来たりしていると、通りすがりの親切なオジサンが「そこの坂から橋まで上がるんだよ」と教えてくれました。どうもありがとうございます。

・橋のてっぺんへ続く坂
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はあ~……見ただけでウンザリするような坂です。
因島大橋を渡るには、地表から橋脚の上まで、自転車を漕いで登らなければなりません。標識によると、斜度は3%、距離は1.5km程。登り口と橋との高低差は50m程度、曲がりくねった坂をひたすら登ります……一番軽いギアに入れているのに、ペダルが重い……。
たっぷり時間をかけて坂を登り、なんとか因島大橋の上までたどり着きました。率直に言うと、この時点ですでに少し限界を感じていた。

・袂から橋を望む。壮観です!
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ヘトヘトになりながら橋を渡ります。橋の全長は1270m、ここは吊り橋ですね。事前の資料によると「快走路」らしいんだけど、なんかもう前に進むだけで精一杯です。

・橋の内部はこんな感じ。フェンス越しだけど景色はよく見えます。
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ちなみに、尾道からしまなみ海道サイクリングロードを通り今治にたどり着くには、6本の橋を渡らなければなりません。要するに、6回この坂を登らなきゃいけないのです。斜度3%、今思えば大したことない坂なんですが、当時は死にたくなりました。

第二の島、因島
大橋から坂を下り、因島へ上陸します。もうクタクタです。
因島のサイクリングロードは、島の西側の海岸に沿って敷かれています。全長は10km強くらいでしょうか。

さて、私は、この因島に是非とも行ってみたいところがありました。因島水軍城、かの有名な村上水軍の城を昭和56年に再現したものです(城址ではありません、城風の資料館です)。
ちなみに、尾道の千光寺山にも「尾道城」という中世日本の城っぽい展望台(現在は廃墟)があります。尾道の人はお城を作るのが好きなんですかね……。

地図を見ながら因島水軍城へ向かうのですが、因島大橋をスタートして10分程で、まーた後悔に襲われました。
坂です。
因島の中心部は海岸沿いと比べ標高が高くなっており、海軍城も大変見晴らしのいい位置に再現されています。そのため、長距離の登攀が必須、私の心臓と肺がまた悲鳴を上げます。

そしてなんとか着きました海軍城。時間が早すぎて、資料館は開いていませんでした……。

・立派なお城ですが、周りは山です
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・海軍城から望む因島の集落
「島の一番高いところに建てた」というわけではないらしいです。
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城のふもとにある売店で一休みした後、次は生口橋を目指します。
「これだけ登ったんだから、後は下りばっかでしょ……」とタカをくくってたら、それを裏切るように高低差の連続が……!
青色吐息になりながらも、ようやく橋のふもとへ辿り着き、橋へ続く登り坂を見てまた溜息をつく……。

・生口島大橋
ここも吊り橋ですよ。
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・自転車道および歩道は車道と並走しています。
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・橋の上から生口島を望む
乾ドックが見えてドキドキしますね。
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・塔を下から見上げた図。斜張橋です。
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第三の島、生口島

えっちらおっちら橋を渡り、生口島へと着きました。時刻は9時を少し回ったところで、距離的には1/3に届かないくらいですが、体力的にはもう2/3くらい消耗した気分です……。

生口島も、島の西側海沿いにサイクリングロードが続きます。
道中で、サイクリストの一行とすれ違いました。私と違ってちゃんとした格好だなあ……。

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生口島のあたりは、昔は瀬戸田町という独立した自治体でした。2006年、尾道市に吸収される形で合併しましたが、瀬戸田という地名は今も残っています。
ちなみに瀬戸田は国産レモン発祥の地で、今でもレモンの生産高は日本一、レモン以外にも、デコポンとかの柑橘類が多く育てられているそうです。
瀬戸田ドルチェでは、地元の果物を使ったデザートが食べられますよ。気持ちの余裕が無くて行けなかったですけどね!

生口島のコース周りには、耕三寺や平山郁夫美術館など、景観の綺麗な一角もあったのですが……ランナーの集団の雰囲気に当てられたせいか、なんかランナーズハイみたいになってきて、脚が止まらなくなりとにかく走る、走ります。

そうして15kmほどの距離を30分ほどと、私としてはまあまあいいペースで走りきり、ようやく次の大三島へ続く多々羅大橋へ到着。
生口島までは広島県尾道市、大三島から先は愛媛県今治市です。

ここまででちょうど半分、まだまだ先は長い……。

<続きます>